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第1文型(SV)の基本的な特徴【例文つきでわかりやすく解説】

文法

英語の第1文型(SV)の基本的な特徴や使い方を知りたい。

今回はこんな疑問に答えます。

例文も交えつつ、この構文で知っておくべきことをわかりやすく説明していますので参考ください。

では行きましょう。

第1文型(SV)とは?

まずは第1文型(SV)について、ポイントをまとめます。

  • 英語の基本文型のうちの1つ。
  • 意味:「S自身で完結する行為」を表せる。
  • SV文型のVは、自動詞です。
  • 語順パターン:SVの後ろはなにも無し or SVをより詳しく説明する「修飾語」がくる。

以下、詳しく解説します。

第1文型(SV)が表す意味

単に「Sだけの行為」を表すための文型です。

たとえば以下です。

She smiled.
(彼女は笑った。)
He swam fast.
(彼は速く泳いだ。)

SV文型の登場人物は、Sのみ。

上記例文の通り、smile, swim というのは、Sだけで成立する行為であり、意味としてもおかしくはありません。

SV文型は、「Sが何をしたか、というS自身の行為」を表現する文型です。
その際の、登場人物はSだけです。

これだけ聞くとピンと来ずらいかもしれませんが、第3文型(SVO)と比べるとその特徴が際立って来ます。

SVO文型は、S以外に登場人物あり。

たとえば、以下の例文はどちらもSVO文型です。

I pushed the button.
(彼はボタンを押した)
He raised the window.
(彼は窓を上げた。)

push(押す)とraise(上げる)という行為を考えてみましょう。
これらの動詞は、必ず「押す相手」「上げる相手」が必要です。

さっきのsmileやrunは、後ろに「相手」がなくても意味として成立するのに対して、I pushed や He raised はここで終わってしまうと、非常に中途半端で、文全体としても意味を成しません。

S自身とは別に「他の相手」が必要であり、それがVの後ろにあるthe buttonやthe windowです。

そしてこの「他の相手」のことを、目的語(O)と言います。

SVとSVOが表す意味の違い。

大西(2011)は、英語は「語の配置」つまり「語順」が意味を決定するとし、基本文型はそれぞれ固有の意味を持っているとしています。SVとSVOの語順が表す意味は、以下の通りです(pp. 66-69)。

  • SV文型 → 単にSだけの動作(Vの後ろにOがなく、力が及ぶ対象はなし)
  • SVO文型 → Vの「力」が他の対象物(O)に加わる・及ぶ

(なお、大西の著書では、前者は「自動型」、後者は「他動型」として紹介されています。)

今回のSV文型は、あくまで「Sが何をしたのか」というS単独の出来事を表す文型と言えます。

第1文型(SV)の動詞(V)について

SV文型のVは自動詞 or 他動詞?

自動詞です。
ここまで見て来た通り、「自分だけで完結する行為」を示すためです。

一方、SVOのVように、後ろにO(行為の相手・力が及ぶ対象)を必要とする動詞を他動詞と言います。他動詞の「他」は「他への直接的な働きかけ」という意味合いです(田中, 2013, p. 203)。

中には、SVとSVOの両方をとれるVがあります。

上記のように、SV文型として使われている場合、そのVは必ず自動詞です。

ただし、そんな動詞でも、もし後ろにOを置く語順の中で使われれば、他動詞として働きます。

たとえば、walkという動詞です。

<SVの例>
She walks everyday.
(彼女は毎日歩く。)

この文は、Vの後ろにOがありません。
このときwalkは自動詞で、意味もただ自分だけの行為を表しています。
(なお、everydayはOではなく「修飾語」と呼ばれるものです。修飾語については後述します。)

<SVOの例>
She walks her dog everyday.
(彼女は犬を毎日散歩する。)

一方、こちらは、Vの後ろに力が及ぶ相手であるher dog(O)が置かれています。つまり、walkは他動詞として使われています。

Sheがher dog に対して「walk」という作用をぶつけていることになり、そこから「彼女は犬を散歩する」となります。

他にも、自動詞と他動詞の両方で使える動詞は多くあります。

・run:[自]走る [他]Oを経営する
・increase:[自]増える [他]Oを増やす
・move:[自]動く [他]Oを動かす
etc.

ごく一部ですが、たとえば上記です。

ポイント

  • 同じVでも、自動詞と他動詞の両方の振る舞いができるものがある。
  • どっちで使われるかは、後ろに「Vの力をぶつける相手(O)がいる or いない」で決まる。
  • 後ろにOがない → 意味:「S自分だけの行為」を表す。
  • 後ろにOがある → 意味:「SがOに対して何かをする行為」を表す。

第1文型(SV)で、よくある語順パターン

この文型は、以下の2つの形でよく使われます。

  • ①:SVだけで終了
  • ②:SV + 修飾語(M)

具体例①:SVだけで終了パターン

たとえば以下です。

The plant moved.
(その植物は動いた。)
She smiled.
(彼女は笑った。)
The team lost.
(そのチームは負けた。)
His plan didn’t work.
(彼のプランは、うまくいかなかった。)

上記のように、このパターンでは語順の形、表現される意味ともにシンプルです。

具体例②:SV + Mパターン

ただこの文型は、よく後ろに「修飾語」が続きます。
(修飾語は、英語でmodifierといい、よくMで表されます。)

SVの後ろにMを続けることで、それがいつ・どこで・どんな様子で起きているのかといった、より詳しい説明をつけ加えることができます。

たとえば以下です。
(下線部 = Mです。)

He lives in Kansai.
(彼は関西に住んでいる。)

*He livesとは「どこで」のことなのか、in Kansaiで説明を付け加えています。

We went to the museum.
(私たちは、その博物館に行った。)

*We wentとは「どこに向けて」のことだったのか、to the museumで説明を付け加えています。

She runs at 7 a.m. everyday.
(彼女は毎日7時に歩く。)

*She runs とは「いつ」のことなのか、at 7 a.m.と everydayで説明を付け加えています。

He swam fast.
(ケンは速く泳いだ。)

*He swamとは「どんな様子で」のことだったのか、fastで説明を付け加えています。

SV+M のMは「副詞」として働いています。

もともと英語の中で「修飾語(M)」として働くものには、以下の2種類があります。

  • 名詞を修飾して「形容詞」として働くもの
  • 名詞以外のもの(動詞、形容詞、副詞、文 など)を修飾し、「副詞」として働くもの

今回SV+MのMは、「SVのV」もしくは「SVという文全体」を修飾しています。
名詞を修飾しているわけではありません。

そのため、「副詞の役割」をしていると言えます。

副詞の役割をできる表現

  • ①:副詞の単語
  • ②:前置詞句
  • ③:その他

大きくは上記の3つに分けられます。

副詞の役割をするものとして、①のように「もともと副詞としても存在する単語」は来てOKです。

先ほどの例文では、fastがそれに当たります。

また②として、at 7 a.m.やin Kansaiなどの「前置詞句」もOKです。

その他③の例として、everydayはもともとは名詞ですが、ここでは「毎日走る」と「走る(V)」を修飾しているため、副詞として働いています。

修飾語(M)は目的語(O)とは違う

なお、このような修飾語(M)は、SVのことをより詳しく説明しているだけです。

単に時や様子、位置関係を示しているだけで、「Vの力が及ぶ相手」ではありません。
そのため、目的語(O)ではありません。

  • SV+MのM → SVの様子をただ詳しく説明するもの
  • SVOのO → Vの力がぶつかる対象

上記のような役割の違いをきちんと見極めることが、正確に英文を理解するために大切です。

各部分の役割を考えながら英文を見ていくようにしましょう。

以上です!


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【参考文献】
大西泰斗, ポール・マクベイ. 2011. 『一億人の英文法』東京:ナガセ.

田中茂範. 2013. 『愛蔵版 表現英文法』 東京:コスモピア.