そもそも英語のリスニングとは?【メリットも合わせて解説】
- そもそもリスニングって何?
- リスニングができると、どんなメリットがあるの?
今回はこのような内容に答えます。
本記事の内容
- そもそもリスニングとは?
- リスニングのメリットとは?
✔︎ 筆者について:英語の指導歴は6年ほどです。イギリスの大学院で英語教授法(TESOL)を学んだ後、マンツーマン指導をメインに携わっています。
上記2つの疑問を解消するため、以下に順に見ていきましょう。
そもそも英語のリスニングとは?

一言でいうと、英語を「聴くこと」です。
聴くことは、コミュニケーションで重要な要素の1つです。
コミュニケーションを支える4つの技能
- リスニング(聴くこと)
- リーディング(読むこと)
- スピーキング(話すこと)
- ライティング(書くこと)
このように、コミュニケーションは4つの技能から成っています。
さらに、これらは以下のように位置づけることができます。

ここの「音」とは、話し言葉を介したコミュニケーション、「文字」とは、書き言葉を介したコミュニケーションのことを指します。
また「インプット」とは、誰かからの言葉を受け取って理解すること、「アウトプット」は、自分から言葉を発信することを意味します。
リスニングは、音を介した、インプット型の技能です。
英語の試験とリスニング
TOEIC, TOEFL, IELTS, 英検などを見てみるとわかりますが、4技能を別々にテストし、それぞれの技能についてスコアを出すタイプの試験が一般的です。
出題例
- リスニングテスト → 英文を聞いて、その内容に合うものを選択肢から選ぶ問題 など
- リーディングテスト → 英文を読んで、その内容に合うものを選択肢から選ぶ問題 など
- スピーキングテスト → 聞かれた質問について、英語で口頭で答える問題 など
- ライティングテスト → 与えられたお題について、英語で自分の主張を書く問題 など
大学の二次試験などを除き、現在多くの試験で、リスニングテストが含まれています。
リスニングとヒアリングの違い
ちなみに、リスニングと似た語に「ヒアリング」があります。
2つには、以下のようなニュアンスの違いがあります。
- リスニング → 耳を傾けたり、注意を払って聴くこと
- ヒアリング → 音が耳から入ってきて聞こえてくること
上記のように、リスニングはより「自分で行う行為」という感じがあります。一方ヒアリングは、より受け身的で「耳から入ってきた音を受け取る」といったニュアンスになります。
日本語で言えば、リスニングは「傾聴する」に、ヒアリングは「聞こえる」などに近いかと思います。
英語学習においては、過去にヒアリングという語もよく使われていました。ですが今では、リスニングの方がよく使われるようになっています。
リスニングのメリットとは?

リスニングを学習する目的は人それぞれなので、究極的には「人による」ということになりますが、概ね以下のようなことが挙げられます。
リスニングを通してできることの例
- 英語話者とのコミュニケーションをとおして、人間関係を深められる
- 英語を使った仕事や、英語圏での生活をスムーズに進められる
- 英語で新しい情報を得られる
- 海外の映画やドラマなどのコンテンツを楽しめる
- リスニングテストで高得点が取れる など
たとえば上記です。
これらには、聴いて理解すること(リスニング)が大きく関わっています。
英会話に欠かせないリスニング
的をもう少し絞り、「英語で会話する」という場面で考えてみましょう。
英会話といえば、スピーキングのことが、まず頭に思い浮かぶかもしれません。
当然それも重要ですが、やはりそれだけでは、コミュニケーションは成り立ちません。
やはり一方がしゃべっているだけでは、お互いに考えや感情をシェアしたり、関係をつくっていくことはできません。
相手が言っていることを理解すること(つまりリスニング)も、会話を成り立たせるためには、欠かせない要素です。
リスニングがスムーズだとスピーキングも有利に
会話中は、とにかく脳内はせっせと忙しくなります。
相手の話している内容に耳を傾けつつも、頭の中でそれを自分なりに解釈したり、次にどう返答しようかを考えたりと、複数の情報処理を同時にこなさないといけません。
逆に、相手の言ったことを問題なくスッと理解できれば、その分頭に余裕ができます。
リスニングをしつつも、次に自分が「何を、どのように言うべきか」をプランしやすくなり、結果として、スムーズな返答やしゃべりをしやすくなっていきます。
その意味で、相手の言っていることを、「考え込まずとも、無意識的に理解できるリスニング力」があること、またはそこを目指して学習していくことは、とても重要です。
リスニングは「学び」そのものでもある
先ほど、リスニングは「インプット型の技能」ということを書きました。
言わば「外のものを自分の中に入れていく」ような行為ですが、これは見方を変えると「知識を新たに蓄えていく行為」とも考えることができます。
たとえば、リスニングをしていると、いろいろな英語表現を耳にすることになります。
そうやって何度も触れて覚えた表現が、のちにしゃべるときに、ふと自分の口から出てくることもあります。
リスニングをするのは、もちろん第一には、コミュニケーションを図るためです。
ですが、「相手が言ったことを理解する」という行為そのものが、実は上記のように、「新たな学びにつながる」という面も持っています。
ただし、ただリスニングをしていれば、無条件に学びにつながるというわけではありません。
学びにつなげるための条件
少なくとも以下の2つのことが大切です。
- ① 理解できること
- ② 大量であること
まず①ですが、やはり、まったく意味がわからないようなものをいくら聞いても、なかなか学びにはつながっていきません。聞いた内容を理解できてこそ、そこに含まれている表現が記憶にも深く残っていきます。
また②ですが、いくら理解できたとしても、たった1, 2回触れただけでは、十分に定着していきません。やはり、いろんな場面で何度も繰り返し触れていく中で、少しずつ自分の中に積み上っていくものです。
他にもポイントはありますが、リスニングから「学び」につなげるためには、概ね上記のような「質と量」を意識することが大切です。
ただ、言うはやすし行うは難しで、それをどう実践していくかということも大事です。
また追って、リスニングの具体的な学習法についても、書いきたいと思います。
今回は英語のリスニングとは何か、またそのメリットについてでした。
おわり