分詞構文の基本【例文と一緒にわかりやすく解説】
どうやって使うの?
最低限知っておくべき基本的なことを知りたい。
今回はこんな疑問に答えます。
そもそも分詞構文とは?といったことから、最低限押さえておくべき基本的な使い方まで押さえています。
分詞構文の基本
以下の順で解説していきます。
目次
- 1. そもそも分詞構文とは?
- 2. 分詞構文の働き
- 3. 分詞構文の意味・ニュアンス
- 4. 分詞構文の品詞
- 5. 分詞構文が来る位置
- 6. -ingか?-edか?の使い分け
- 7. 分詞構文の否定形
では順番に見て行きましょう。
1. そもそも分詞構文とは?
まずは用語の説明です。
「分詞構文」の意味
- 分詞 → -ing(現在分詞)・-ed(過去分詞)
- 構文 → それ自体で1つの事柄を表せるもの
つまり、分詞構文とは「-ingもしくは-edでつくられる、それだけで1つの事柄を表せる表現」のことです。
具体例で見てみましょう。
(公園を走ってて、私は旧友に偶然会いました。)
Running in the park の部分が分詞構文です。
別に主語があるわけではなく、文の形をとっているわけでもありません。
ですが、この-ingのかたまりだけで、とりあえず「公園を走っていることだな」ということは分かります。
このように、あくまで分詞-ingだけで1つの構文が成り立っています。
これが「分詞構文」の意味です。
2. 分詞構文の働き
主節の出来事に対し「それがどんな状況と並行して起きたことなのか」説明を加えることができます。
先ほどの例文で見てみましょう。
(公園を走ってて、私は旧友に偶然会いました。)
この1文の核は、「私が旧友に偶然会った」という主節の部分です。
その出来事が、「公園内を走っている」という事態と並行して起きたことを、分詞構文を使って説明を加えています。
以下も同様です。
(誰かにつけられて、その女性はびくびくしていた。)
主節の「女性がびくびくしていた」という出来事が、「誰かにつけられる」という状況と並行して起きたことを表します。
3. 分詞構文の意味・ニュアンス
大きく、以下の用法と訳し分けが可能です。
用法別:日本語への訳し方
- 時「〜とき」
- 理由「〜ので」
- 条件「〜ならば」
- 譲歩「〜だが」
- 付帯状況「〜しながら、そして〜する」
上記の通りです。
※ただし、これらを暗記 & 厳密に訳し分けしなくてOK
ここで間違わないようにしたいのは、分詞の-ingや-ed自体に、「時を表すwhen」や「理由を表すbecause」などの意味が含まれているわけでない、ということです。
whenやbecauseといった接続詞は、「時」や「理由」といった主節との論理関係をクリアに示してくれます。
ですが、そのような接続詞を使うことなく、主節の出来事がどんなことと並列的に起きていたのか、手短に追加説明を加えてしまおうというのが分詞構文です。
時か?理由か?条件か?などといった判断は、
文脈によって常識的に決まるのであって、むしろ曖昧性が残るところに分詞構文の特徴があるといえます。
(田中, 2013, p. 261)
そのため、どの用法か1つに確定させること自体、不可能なことも多いです。
日本語にしないと意味が取りずらい場合は、「〜て」「〜で」などで自然に繋いでいくようにしましょう。
4. 分詞構文の品詞 → 副詞として使います。
ここまで見て来たように、分詞構文は「主節の文」に対して説明をつけ加えます。つまり「文を修飾」します。
一方、英語で何かを修飾できる品詞は「形容詞」か「副詞」の2つがあり、それぞれ修飾する相手は以下の通りです。
- 形容詞 → 名詞
- 副詞 → 名詞以外のあらゆるもの(動詞、形容詞、副詞、文 etc.)
このことから、分詞構文は文中で「副詞」の役割をしていると言えます。
また、-ingや-edの分詞が副詞として使われることから、「分詞の副詞的用法」などと称されることもあります。
5. 分詞構文が来る位置 → 文頭・文中・文末の3パターンがあります。
文頭の例
(公園を走ってて、私は旧友に偶然会いました。)
(とても怒ってて、彼女は彼とまったく話さなかった。)
文中の例(挿入)
主節の文の中で、挿入的に分詞構文が使われることもあります。
(その犬は、大声で吠えて、主人の帰りを待っていた。)
(全員の生徒は、その知らせに驚いて、突然静かになった。)
文末の例
(電話で話しながら、彼はよく運転する。)
*上記の日本語訳では、talking〜の部分から書いてますが、実際理解するときは英語の語順通り、主節「彼はよく運転する」→ 追加説明「電話で話して」という順で理解すればOKです。
(警察はその家に行き、そこには誰もいなかった。)
6. -ingか?-edか?の使い分け
どちらになるかは、主節のSとの関係で決まります。
例えば、以下の例文で考えてみましょう。
Seeing と Seenどっちが入る?
2.( )closely, the picture looks very beautiful.
どちらか入りましたか?
・
・
・
以下、解答です。
1.の正解 → Seeing
今回、主節のSはshe「彼女」です。
そのSの視点で、( )の中の行為が能動的に「やる」ものなのか、受動的に「される」ものなのかを考えるようにしましょう。
今回は、sheが絵を「見る」側なので、能動的な意味合いを表すSeeingが入ります。
(絵を見て、彼女はそれがとても美しいと言った。)
2.の正解 → Seen
主節のSは、the pictureです。
同様に「絵の視点」から考えるようにしましょう。
the pictureは「見る」のではなく「見られる」側なので、受け身を表す過去分詞が入ります。
(近くで見ると、その絵はとても美しく見える。)
*直訳だと「近くで見られると、その絵はとても美しく見える。」となります。
もう1つ考えてみましょう。
(全員の生徒は、その知らせに驚いて、突然静かになった。)
なぜここは-edが入るのでしょうか?
今回、主節のSはall the studentsです。
元々surpriseという単語は、「surprise 〜 = 〜を驚かせる」という動詞です。
all the studentsは、「驚かせる」側ではなく「驚かせられる」方です。
そのため、受け身のsurprisedが入ります。
以上のように、Sが能動(やる)のか受動(やられる)のかで判断するようにしましょう。
7. 分詞構文の否定形
シンプルに分詞の前にnotをおくことで、否定の意を表すことができます。
(IDカードを持ってなくて、私はその建物に入れなかった。)
(彼女の感情を知らないで、彼はしゃべり続けた。)
以上です!
おわり
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【参考文献】
田中茂範. 2013. 『愛蔵版 表現英文法』 東京:コスモピア.