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英語の音読で眠くなる原因と4つの対処法

音読

Illustration by Icons8

英語の音読をしてたらどうしても眠くなる。
どうにかしたいなぁ…

今回はこんなお悩みの方向けに書きます。

音読をやり始めたのに、徐々に本をもつ手も力が抜けウトウト…
頭も回らず、自分でも「これじゃダメだ!」という思いはある。
けど、どうしても寝てしまう。
あとで残る罪悪感… 「自分は何をやってるんだ。。」

このような場合は原因を考え、少しやり方を変えてみましょう。
それだけで思いのほか改善される可能性があります。

本記事の内容

  • 英語の音読中眠くなる4つ原因
  • 英語の音読中眠くなくなる対処法

本文を読むことで、もう眠気を感じずに音読をつづけられるようにして行きましょう。

英語の音読中眠くなる4つ原因

「英語の音読中眠くなる…」というときに、ぜひ1度考えてみていただきたいことがあります。
以下のようなことが、睡魔が押し寄せる原因になっていないでしょうか?

  • ① 眠い時間帯にやっているから
  • ② 回数をこなすことが目的になっているから
  • ③ 音読中のテーマや意識するポイントが明確でないから
  • ④ スクリプトが難し過ぎるから

①眠い時間帯にやっているから

本来音読はかなり集中力を必要とする練習です。
ですが、そもそも眠たい時間帯だとそれも不可能です。

人間にはどうしても眠くなってしまう時間帯があります。ご飯の後や、夜遅くになっている場合は眠くなる傾向にあるので時間帯を考え直すことは大切なポイントです。

② 回数をこなすことが目的になっているから

練習中「目標の回数をこなす」ことだけが先行し、とにかくそれをこなすための時間になっている場合は要注意です。

回数をこなすことが目的になってしまうと、本来音読中にこだわるべき「文章の内容を深く理解すること」や「それに必要とされる脳内処理」に取り組むことがおざなりになってしまいます。

このような場合、音読の練習が「ただ声を出すだけの単調な作業」になってしまったりします。

適切な目的の設定は、音読中の取り組み方を変える重要な要因です。

③ 音読中のテーマや意識するポイントが明確でないから

これも音読が単調な繰り返し作業になり、眠たくなってしまう原因になります。

音読ではターゲットとなる鍛えたいスキルや、意識して克服すべきポイントがあります。

ざっとあげるだけでも、以下のようなことがあります。

  • 左→右に読む中で、各語彙の意味や文構造を瞬時に認識していける
  • 上記の情報をもとに、各文の意味を瞬時に見出せる
  • 1文単位だけではなく、文章全体の論理構成や情報の流れもつかみつつ読める
  • 自分が持っている世間一般的な知識やこれまでの経験とも照らし合わせながら、文章の内容を深く理解しつつ読める
  • 日本語と英語の語順の違いに惑わされないよう、あくまで英語の順で左→右に理解していける

などなど、例えばこのようなことです。

いかがでしょうか?
もしこれらを本当に全て実践しようと思うと、音読中、相当集中して取り組まないと難しいのではないかと思います。

我々が母語(日本語)の文章を読んで理解するときは、上記のようなことを自然に行えていると思います。

普段の練習から、本当にそれと同じことが英語の文章を読むときでもできているか?ということを意識し、毎回そのギャップを埋めていけるように練習していかないといけません。

意識するポイントが見えずただ声を出すだけの単調な作業になっている場合は、練習中に取り組む脳内処理も非常に限られたものになります。

結果、脳にかかる認知的な負荷も低く、集中を必要としない眠くなるトレーニングになってしまいます。

④ スクリプトが難し過ぎるから

③で意識ポイントを明確して取り組むことが大事と書きました。

ですが一方で、そもそも自分のレベルを大幅に超えた難しい文での音読は、そのようなポイントに取り組もうにもできない状況になってしまいます。

結果このような場合も、単調な声を出すだけの作業になりがちです。

想像してみましょう。語彙も文構造もほとんど知らないものばかり。目にした英語が「記号」にしか見えず、まるでお経を読んでいるような感覚に陥ってしまいます。これはさすがに眠くなります…

このように、「適切なスクリプトのレベル設定ができているか」どうかも、1つ重要なポイントになります。

英語の音読中眠くなくなる対処法

以上大きく4つの原因がありました。
では、それぞれどのように対処すれば良いのでしょうか。

対処法としては以下の4つです。

  • ① 集中しやすい時間に練習時間を変える
  • ② 回数はノルマではなく「目安」として設定する
  • ③ 練習のテーマを明確に、それを意識しながら取り組む
  • ④ 適切なレベルのスクリプトを選ぶ

詳しく順に見て行きましょう。

① 集中しやすい時間に練習時間を変える

音読は、本来多くの脳内処理に取り組まないといけない負荷の高い「トレーニング」です。

「内容を理解しよう」と思いつつ左→右に読む中で、

文字を見る → 脳内処理 → 理解

というプロセスを積極的に回すことで、理解に必要となる脳内処理が鍛え自動化させて行きます。

このような負荷の高い練習に、万全なコンディションで取り組めるような時間帯を選びましょう。

普通、寝る直前や食後などの眠たくなるタイミングに負荷の高いジョギングや筋トレを行わないのと同じです。
音読もそのような時間は避けるようにし、自身の頭が冴えている時間帯を選びましょう。

基本的には午前中の時間などが向いていると思います。
自分の集中しやすい時間を探し、時間を確保するようにしましょう。

② 回数はノルマではなく「目安」として設定する

「回数=ノルマ」という考えだと、ただ回数を達成すれば万事OK(練習の中身は関係なし)、という思考になりがちです。

ですが、練習の本質は、ノルマを達成することではなく「何かのスキルを身につける」ということにあります。

それを達成できるのであれば、そこまで大量の数回を多く取り組む必要はありません。逆に、できなければスムーズにそれができるまである程度やり続ける必要があります。

とはいえ永遠に続けることはできないので、便宜上、時間制限 or 回数を設定するだけです。

  • 回数はあくまで目安として設定
  • 音読中、身につけたいターゲットスキルを適切に実践できているか ←こっちを主目的に

上記のような形で練習を行うようにしましょう。

では具体的にどんなスキルを意識しながら練習すれば良いのか、③につながります。

③ 練習のテーマを明確に、それを意識しながら取り組む

音読練習の最中に意識するポイントとして、以下のような4つの点が挙げられます。

毎回の音読で、自分で実践できているかを考えるようにしましょう。

ポイント1:内容を理解しながら読む

当たり前のようですが、音読はこれがまず大前提です。

「内容を理解しようと読む」ことで、必然的に語彙・統語・また文章全体での内容把握といった脳内処理にも取り組むことになり、それを繰り返すことで各処理が自動化して行きます。

そのため、「目の前の文章から情報をとる」という姿勢を基本に、音読をしていくようにしましょう。

とはいえ左→右に読む中で、語彙・文法などの処理が追いつかず、ある英文箇所の意味を想起できないままスルーしてしまうことがあると思います。声を出して読んだだけの状態です。その場合はもう一回その箇所を読み直し、左→右に通過する際にスムーズに意味想起ができるようにしましょう。

また逆に、意味をしっかり理解しながら繰り返していると、「内容を覚えてしまう」ということもあります。

ですが、それだと暗記した内容を毎回ただ思い出しているだけになってしまいます。そうではなく、目にした英文をちゃんと脳内で処理して意味想起と理解まで行う、という頭の中の流れを作ることが重要です。

そうならないよう、毎回「初見の文を読む感覚」で取り組むようにしましょう。

ポイント2:自分の実生活や現実世界と結びつけながら読む

書いている内容をただ受け身的に理解するだけではなく、自分がそれまで生きてきた経験や、身の回りの現実生活とも結びつけつつ、より深く理解して読むようにしましょう。

具体的には、

・書かれている内容に近い経験を、自分がしたことがあるか想像してみる。
・登場人物のいる状況や心境を、自分が経験しているつもりで想像してみる。
・書き手はどんな主張をしているのか?自分はそれに共感できるのか or できないのか、といった感想を持ちながら読む。
ect.

などです。

目の前の文章に、自ら積極的に関与していくことが大切です。

自分がもともと持っている背景知識を働かせ、目の前の文章と対話をするつもりで読むようにしましょう。

ポイント3:英語の語順に則した読み方を実践する

日本語と英語は語順がかなり異なるため、音読でこのポイントを克服していくことは大きな課題の1つとなります。

あくまで英語を、

  • 左→右に順に理解していく
  • 返り読み的な順で理解しない

ということを音読でしっかり意識的取り組み、無意識的に実践できるまで持っていくことが大切です。

その点、スラッシュリーディングが役立ちます。

意味のかたまりごとに、英語を左→右に順に意味処理していく」ということを意識的に練習していく方法ですが、このような情報処理の仕方を、音読にも組み込みつつ練習していきましょう。詳しくは以下をご覧ください。
» スラッシュリーディングの効果とは?【英文を効率的にさばく!】

ポイント4:徐々に音読スピードを上げる

仮に上記のようなことがきちんとできたとしても、時間をかければできる、というだけでは実戦で使えるスキルとは言えません。最終的には「流暢に」できるようにまで持っていく必要があります。

つまり、タイムプレッシャーをかけながら、スピーディーに実践できるようにしていくことが重要です。
その英文スクリプトにある程度慣れてきたら、「音読のタイムを測る」ということも良いと思います。

とはいえ、スピードを上げたために、パフォーマンスの質が落ちてしまってはいけません。

音読を繰り返す中で少しずつスピードを速めて行き、最終的には「正確かつ流暢に」英文を理解しながら音読できる状態を目指しましょう。

④ 適切なレベルのスクリプトを選ぶ

また、ここまで③で書いてきたようなことは「適切なレベルの英文スクリプトで練習していく」ということが前提の条件となります。

あまりに難しすぎる英文だと、

・頭がキャパオーバーになってしまい③で見てきたようなポイントにしっかり意識が避けない
・無理に読み進めると、脳内処理が空回りし、ただ声を出すだけの練習になる

といったリスクが考えられます。

スクリプトレベルは、「現状の自分のレベルよりも少しだけ上のもの」を選ぶなど対策が必要です。

以下では、具体的なスクリプトを選ぶ基準なども詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

まとめ

以上、音読中眠くなる原因と対策でした。

集中できる状況を作り、しっかり効果げていけるようにして行きましょう。

なお、音読の練習密度を上げるため、本記事で紹介した以外の練習テクニックについても詳しく知りたい方は、以下も合わせて参考ください。
» 英語音読の総まとめ【基礎知識〜実践テクニックまで網羅】

おわり