瞬間英作文、語順の攻略法【日本語を使い、日本語から卒業する】
瞬間英作文をしていて、
「日本語のどこから英作したらいいか迷う。」
「いつまでも日本語見ないと英作ができない。」
「何か解決するいい方法はない?」
今日はこんな疑問に答えます。
瞬間英作文でよく議論になるのがこの日本語の扱い、そして複雑にさせているのが英語⇄日本語の語順の違いです。
日本語のお題の扱い方を知り、日本語に過度にとらわれず英作をできるようになりましょう。
本記事の内容
- 瞬間英作文での語順の攻略方法
- 語順を攻略することの重要性【実際のスピーキングにどう生きるかも解説】
では行きましょう。
瞬間英作文、語順を攻略する方法
日本語⇄英語の語順の違いに迷わされる例
例えば、瞬間英作文で、
→ (回答)I’m going to meet her at the cafe tomorrow morning.
→ (回答)Is she a teacher who taught English to you at school?
のような文があった場合、まず直感的に感じるのは「長っ!」ではないでしょうか。
特に瞬間英作文に慣れていない場合、「日本語のお題の一体どこから英語にしていけばいいの?」と感じたり、語順の違いに惑わされ「スラスラ英作ができない..」と思うことがあると思います。
上の日本語と下の英語とで、語順がかなり違うのでこれが起きてしまいます。
このストレスを克服し、練習を効果的に進められるようにして行きましょう。
これを攻略する具体的な手順は以下です。
語順の違いを攻略する手順
- ステップ①:「結論」からまず英作するようにする
- ステップ②:その後ろに「補足情報」を順に足していくようにする
- ステップ③:「文全体」で内容をイメージし一続きで英作して行く
順番に解説して行きます。
ステップ①:「結論」からまず英作するようにする
瞬間英作する際、まず「結論」部分から英作するよう心がけましょう。
「結論」とはつまり、
・かつそこさえあればその英文の最低限の意味はわかる部分
のことです。
さらに具体的には、
・SVC, SVO, SVOO, SVOCなど基本文型の部分
のことです。
実際の英文で見てみましょう。
の文で言う、「I’m going to meet her」のような部分のことです。
ここがこの文の「主→述」部分であり、「SVO文型」がちょうど納まっている部分です。
これに対し、「どこで会ったのか」という「at the cafe」や、「いつ会ったのか」という 「tomorrow morning」といった「修飾」部分は、あくまで「結論」に付け足した「補足的説明」です。
これらの「補足情報」は、たとえ無くても形的にも意味的にも文は成り立りたちます。
一方で「I’m going to meet her」の部分は、これ自体が無くては、もしくはこのカタマリのどの単語が欠けても意味を成しません。
「主→述」部、SVOの基本文型の部分さえあれば、「誰が誰に会ったのか」という最低限この文で伝えたいことはわかります。これが「結論」です。
なお他の例では、
でいう、「Is she a teacher」が結論部分です。
この結論に対し「どんな先生か」という補足の情報(修飾)が、who節で後ろに付け加えられている形になっています。
まずはとにかくこの「結論」部分に注目し、英作して行くことが大切です。
英語の語順の特徴:一発目に「結論」その後ろに「補足説明」が続いていく
英語と日本語は、幹となる「結論」とそれに付随する「補足説明」の順が逆なことが多いです。
例えば、こちらを見てお分かりの通り、

日本語は「東京の」「カフェで」といった枝葉の補足説明が先に、「彼女に会いました」という結論部分が後に来ています。
これに対し、英語はちょうどその逆になっており、「I met her」が初っ端に、その後ろに場所の補足説明が来ています。
大西&マクベイ(2017, p.xxiii)が指摘しているように、このように英語は、
説明が後ろにどんどんつけ足されることば。右へ右へ伸びていくことば
です。そしてこの語順の特徴は、
語順が英語とは逆の日本語を話す私たちにとって特に重要なルール
でもあります。
以上のような日本語と英語の語順の違いが、瞬間英作文でも日本語を見たときに惑わされる原因になっています。
ただ迷いそうなときでも、
- まずは一発目にくる「結論部分」をバンッと言い切ってしまう
- その後、他の修飾部のような「補足情報」を付け足していく
という流れで英作して行くよう意識しましょう。
テキスト内の日本語に印をつけておくのもOK
慣れるまでは一目でわかりやすいように、日本語のお題に印をつけてもいいと思います。
例えば、
のように、まず一発目に英作すべき結論部分に、目立つよう線を引いておいてもいいと思います。
もしくは、補足説明の部分はあくまで補足要素と言うことで
のように、カッコでくくり出しておいてもいいと思います。
別にこの方法でなくても、自分が分かりやすければ何でもOKです。
印をもとに結論部分に注目し、まずはここをしっかり内容もイメージしながら、間髪入れず英作できるようにして行きましょう。
ステップ②:結論の後ろに「補足情報」を順に足していく
結論部分を英作し終えたら、他の「補足説明(修飾)」の部分を、後ろに順に足して行って、英文を完成させて行きましょう。
例えばさっきの
私は明日の朝彼女とそのカフェで会う予定です。
の瞬間英作文では、下線の
と口頭で英作したら、次は「どこで?」に対する補足情報、
を意味も思い浮かべながら足しましょう。
その後、「いつ?」に対する補足情報を同じように、
と足し、これで文の完成です!
はじめはここまでの流れを、さっきの印をつけた日本語のお題
を都度ヒントとして見ながら英作して行ってもOKです。
もう一つ「to 不定詞(副)」
の例で英作をしてみましょう。
結論&補足説明の印をつけると、
となります。では瞬間英作文です。
まずは下線の部分に注目して、発話しているつもりで意味もしっかり思い浮かべながら
と結論を言い切る。
その後、印を見ながらでもいいので「何のために?」に関する補足情報を、これも意味をしっかり思い浮かべながら
と足し、これで文の完成です!
この時点では、日本語と英語を行ったり来たりしてOK
日本語のお題のヒントも都度チェックするような形になりますが、いまの時点ではこれでOKです。
まずは印をあてにする形でいいので、この段階ではとにかく
[結論] → [補足1を足す] → [補足2を足す] → ...
という順で、意味を思い浮かべつつ英作する要領を身につけて行きましょう。
繰り返し練習し、ある程度身体で覚えこむことが大事です。
またこのような、[結論]と[補足]を部分に分け、「断片」をただポンポン追加的に足して英作していくやり方に少し違和感をもつかもしれません。
ただ実はこの頭の働かせ方こそが、実戦でのスピーキングスキルに大きく関わって来ます。詳しくは、次の「メリット」の章で解説します。
ステップ③:「文全体」で内容をイメージし一続きで英作して行く
仕上げは、文全体でしっかり内容のイメージを持ちながら、自分がリアルに発話する感覚で英作して行きます。
この段階でお題の日本語は、あくまでこれから話す内容を想起させるためのトリガーとして見るようにしましょう。
ステップ②のように部分的ではなく、「一文全体」を見てイメージを思い浮かべ、そのイメージを英語で表現して行きます。
(このイメージを利用する具体的な方法については、瞬間英作文でイメージを使い練習する方法もぜひご覧ください。)
もしステップ②まででしっかり[結論→補足]と慣れておくと、思い浮かべたイメージをもとに、何から英作すればいいか感覚的につかめているはずです。
頭の中で意味がつながるように
ステップ②では、[結論]は[結論]で英作、[補足]は[補足]で英作…といったように別々に行いましたが、これは狭い範囲でその部分だけに取り組みやすくするための工夫です。
とはいえ[結論]も[補足]も意味的には繋がっており、文全体の意味を成しています。
なのでこのステップ③では、
▽
at the cafe(そのカフェで)
▽
tomorrow morning(明日の朝)
というように、
▽
どこで
▽
いつ
という各情報が、流れの中でスムーズに繋がるよう意識しながら英作するよう目指しましょう。
その他コツ:節(SV〜)を複数含む長い文の攻略法
節(SV〜)を複数含む長い文とは、例えば、
・When I met him in the classroom, he was so angry.
・I think that it will rain in Tokyo tomorrow.
・He is the man who saved the child’s life one year ago.
・I saw the place where the car accident happened several weeks ago.
・I wonder why she is crying.
・Do you know how he got there?
など、主に中学校2〜3年で習う文法のものです。
これらの瞬間英作文に入る前に、しっかり中学校1〜2年レベルの範囲に取り組み、まずは節が一つしかない文で[結論 → 補足 → 補足→..]で英作することに慣れておきましょう。
結局、接続詞や関係詞などの文も、[結論 → 補足 → …]が1文内で何個か組み合わさっているだけです。
例えば、
という文も、まずはWhen節の英作に集中し、「結論→補足」と作っていきましょう。
▽どこでかというと、
▽主節に入ります。
(これに続く[補足]なし)
完成!
もう一つ、
だと、まず主節の
を意味も思い浮かべつつバシッと言い切ってしまいましょう。
言ったら今度は、where以下「どんな場所かというと」という、the placeに対する修飾・補足説明部分を足して行きます。
whereの中ですが、ここもまず
▽いつかというと、
これで完成!となります。
このように、文の頭から、複数の[結論→補足→..]のパターンを繰り返しながら英作して行くようなかたちになります。
まずは中学校1-2年の範囲で、節が1つだけの文でしっかり[結論→補足→..]のパターンに慣れておきましょう。
そうすれは、2-3年レベルの関係詞などの範囲でもスムーズに練習しやすくなると思います。
語順を攻略することの重要性【実際のスピーキングにどう生きるかも解説】

このような[結論 → 補足 → …]の感覚をしっかり身につけることで得られる効果やメリットを解説します。
- メリット①:瞬間英作文で、日本語から離れられる
- メリット②:スピーキング時の脳への負荷が下がり、しゃべりやすくなる
①は瞬間英作文内でのメリット、②はそこ超えたスピーキングスキルそのものに関わる重要なメリットです。
メリット①:瞬間英作文で、日本語から離れられる
これは言い換えると、日本語を英語に一語ずつ忠実に訳して行くような「逐語訳」をしなくていい、ということです。
上記のような手順でしっかり練習を積むことで、「英文のどこから英作して行くべきか」という語順の感覚が身について行きます。
結果、
▽ そのお題から文全体のイメージを思い浮かべる(←日本語は忘れてOK)
▽ そのイメージをベースに英作する
とやりやすくなって行きます。
よく「瞬間英作文をやることで、日本語を介して英語をしゃべる癖がついてしまうのでは」と心配されます。
確かに、常に「日本語のお題を、そのまま英語に置き換えて訳して行く」というやり方だとそのようになってしまう可能性があります。
ですが、あくまで日本語はこれから言う内容のイメージ化のための「きっかけ」として使うことが大切です。
もし「頭に思い浮かべた概念やイメージをもとに、それをダイレクトに英語で言語化する」と取り組むことができれば、ネイティブが行なっているようなスピーキング時の脳内処理プロセスを踏むかたちで練習することができます。
(この点について詳しくは、瞬間英作文で英語脳はつくれる?をご覧ください)
イメージを思い浮かべた時点で、まずはバシッと1歩目を「結論」から始めることができれば、あとは補足説明も連鎖的に続けやすくなり、英作がスムーズになって行きます。
スピーキング時の脳への負荷が下がり、しゃべりやすくなる
このやり方に慣れると、小さい断片を順に足していくような形でしゃべっていくため、一気に一文全体を組み立ててしゃべるよりも楽で、頭にかかる負荷が下がります。
例えば、文頭〜文尾まで一気に、
・I saw the place where the car accident happened several weeks ago.
などと頭の中で全部設計してから話そうすると、単純に文の長さ、そこに含まれる情報量、1文全体を見たときの文構造まで合わせて処理しないといけないのでとても大変です。
そうではなく、今回見たような「結論」→「補足」→…と順に部分を足して行くやり方では、小分けされた扱いやすいサイズの情報を1個ずつ、
I’m going go to meet her
at the cafe
tomorrow morning.
と気軽にポンポン、後から必要なものを足して行けば、英文をしゃべることができます。
一回一回取り組む範囲が小さいので、当然脳にかかる負荷は下がります。
ただ果たして、このような話し方、しゃべるときの脳の処理の仕方が正しいのか、おそらく疑問に思われるところと思います。
ネイティブも一文全体を設計してから話してはいない
その疑問に対する答えですが、実は、
日常会話は文の連鎖としてではなく、断片の連鎖によって展開される
(田中ら, 2006, p.186)
というのが実情です。
どういうことか?
学者の田中ら(p.189)によると、我々がイメージしやすい身近な例としては、以下のような現象です。
何かを話そうとするとき、言いたいことがある程度決まっていることが確かにある。しかし、それをコトバにし、話し終わったとき、「言いたかったこと」と「言ったこと」がズレているという経験をすることもよくある
これについては身に覚えのある方も多いのではないかと思います。
田中らはこれについて、もし我々が仮に言いたいことを「文単位」で頭の中で準備し、それを[文]→[文]→…と繋いで会話して行くのであれば、その一文をしゃべっている間にこうしたズレは起きないはず、と指摘しています。
以下はもう一つ、「文」ではなく「断片の連鎖」で喋っている例(pp.187-188)です。
「賭博に関する米政府の対応」について話している内容です。
これを今回のテーマである「断片」に分けると以下のようになります。
②[when they first started lottery] (彼らが宝くじを始めたときは)
③[and a lot of the states were saying], (多くの州で言っていたよ)
④[“No, no, no, we don’t allow gambling.](だめだめ。賭博は認めない)
⑤[You can’t gamble,”](賭博はしちゃいけないんだ、と)
…
②から③にかけてですが、whenの使い方をご存知の方は少しおや?と思うかもしれません。
この会話の1つの特徴は、②が従属節であるにも関わらず、本来それをセットでくるはずの主節が来ていません。そのまま③and…と、文法的には無関係な新たな文がつづいて会話が進行しています。
田中らがここで指摘しているのは、なにも「文法ルールを無視してしゃべっていい」ということではありません。
それよりは、人間は「文法によってカッチリと固められたひとつづきの完全な文を、事前に思い浮かべてからしゃべりっている訳ではない」という事実です。
むしろことばをしゃべるとは、上記①〜⑤のような、意味的なまとまりである1つ1つの断片を積み重ねて行く中で、時には思っていた方向からは逸れつつ、時には話題の軌道修正もしつつ進行して行く、という偶発的な行為と言えます。
文が先に想定されているのではなく、断片を繋いで行くと、結果文になっている
というのが、ことばをしゃべる時のリアルな様相です。
文単位ではなく断片だと、楽。
なので今回取り上げたような、情報のまとまりごとに足してしゃべって行くようなスタイルでOKです。
そしてそっちの方が、圧倒的に楽です。
例えば、「I think that…」の瞬間英作文では、まず結論の
までをパンッと出してしまって大丈夫です。
極端な例ですが、慣れないうちはthat以下については、thinkを言い切った後に中身を考え初めてもOKです。
(実際は慣れてスキルが自動化してくると、I thinkを口が言っている間にthat以下も同時並行的にプランできるようになってきます。そしてネイティブはこの同時並行処理で流暢にしゃべっています。)
I thinkを言い終えたら、一旦 I thinkの部分からは解放されましょう。
【I think that S’ V’〜.】という全体を文単位で思い浮かべるのではなく、
▽
that S’ V’
▽
とポンポンと後から後から足して行きましょう。
特に「節」が複数入っている長い文については、このように追加的に情報の断片を足して行った方が圧倒的に楽です。
「文全体を一気に英作しなきゃ」というプレッシャーから解放され、[結論]→[補足]→..のようなかたちで気軽に意味のまとまりを足しながらしゃべって行きましょう。
まとめ

今日は、日本語⇄英語の語順の違いを考え、どのようにすれば楽に英作ができるか、と言う内容でした。
練習の参考にされてみてください。
おわり
ーーー
【参考文献】
大西泰斗, ポール・マクベイ. 2017. 『総合英語FACTBOOKこれからの英文法』東京:桐原書店.
田中茂範, 佐藤芳明, 阿部一. 2006. 『英語感覚が身につく実践的指導』 東京:大修館書店.